従来のVCSELは低いレーザ発振閾地(数μA)、低ノイズ、高速変調(10Gb/s)という特性から光通信用レーザとして使用されていますが、低出力アプリケーションでのみ使用されていました。
しかし、発光点を2次元に数百~数千個以上配列することで、表面発光レーザの高繰り返しの特性をそのままに高出力を可能にした2次元アレイのVCSELが登場しました。
共振器を2枚のDBR層で挟んだエピ構造により、VBGなどの追加的な光学部品なしに、発振スペクトルが0.07nm/℃と温度依存性が低く、例えば、環境温度を50℃から80℃に変化しても発振波長が807~809nmまでしか変化しません。
また、独自の低熱抵抗パッケージにより、VCSELでありながら連続発振においてコンダクティブ冷却で40W、マイクロチャネル冷却で70Wの高出力を発振します。
従来の端面発光レーザと違った、VCSELの特性を生かしたレーザ加工およびレーザ発振器の開発が可能になります。
仕様 | 条件 | Min | Typ | Max |
光出力 | 55A, ヒートシンク25° | 40W | 50W | |
発振閾値 | ヒートシンク25℃ | 6A | 9A | |
電流 | 40W, ヒートシンク25℃ | 48A | 55A | |
電圧 | 40W, ヒートシンク25℃ | 2.3V | 2.7V | |
抵抗値 | 40W, ヒートシンク25℃ | 15mΩ | 20mΩ | |
OA効率 | ヒートシンク25℃ | 1W/A | 1.1W/A | |
EO効率 | 40W, ヒートシンク25℃ | 37% | 43% | |
中心波長 | 40W, ヒートシンク25℃ |
806nm 976nm 1038nm |
808nm 978nm 1040nm |
810nm 980nm 1042nm |
スペクトル幅 | 40W, ヒートシンク25℃ | 0.8nm | 1nm | |
波長シフト | ヒートシンク25℃ | 0.070/nm℃ | ||
開口率(4sigma) | 40W, ヒートシンク25℃ | 0.15 | 0.17 | |
発振エリア | 4.7x4.7mm2 | |||
動作温度 | 結露なきこと | 0℃ | 80℃ |